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コラム

2023.05.29
SBT

中小企業がSBT(Science Based Targets)を取得するメリット

目次:
1.SDGsへの貢献
2.投資家・金融機関からの資金調達に有利
3.競合他社との差別化
4.消費者からのイメージアップ
5.社員のイメージアップ
6.イノベーションの創出・業務効率化

 

近年、気候変動に関する問題が深刻化しており、企業も環境問題に取り組む必要性が高まっています。その中で、SBT(Science Based Targets)と呼ばれる科学に基づいた温室効果ガス削減目標を設定することが注目を集めています。このブログでは、SBTを取得することのメリットについて紹介します。企業がSBTを設定することで、環境問題への取り組みを強化し、経済的・社会的なメリットを享受することができます。詳しくは以下で解説します。

SBTを取得するメリットには、主に以下の6つが挙げられます。

 

1.SDGsへの貢献

SBTを取得することは、SDGs(持続可能な開発目標)への貢献になります。以下に、その理由を詳しく説明します。

①温室効果ガス排出削減に貢献

SBTを設定することで、企業は自社の温室効果ガス(GHG)排出量を削減することを目指し、気候変動に対する取り組みを行っています。これにより、SDG13で設定された気候変動に関する目標を達成するための貢献が期待されます。

②環境保護に対する意識の向上

SBTを取得することで、企業は環境に配慮した経営を行うことが求められます。そのため、社員や取引先などのステークホルダーに環境保護に対する意識を高めるきっかけを与えることができます。また、SDG12で設定された持続可能な消費と生産に関する目標を達成するためにも、企業が積極的に環境保護に取り組むことが必要です。

③社会的評価の向上

SBTを取得することは、企業の社会的評価を向上させることができます。環境問題に対する取り組みが進んでいる企業には、CSR(企業の社会的責任)を果たす企業としての信頼度が高く、社会からの支持も得やすくなります。そのため、SDG17で設定されたパートナーシップ目標を達成するためにも、企業が社会的評価を向上させることは重要です。

以上のように、SBTを取得することは、気候変動に対する取り組みを進めることはもちろん、SDGsに貢献することができます。企業がSBTを設定し、それに基づいた取り組みを行うことで、より持続可能な社会を実現するために必要なステップを踏むことができると言えます。

 

2.投資家・金融機関からの資金調達に有利

SBTを取得することは、企業の持続可能性に対する取り組みを示し、投資家・金融機関からの資金調達に有利になることがあります。以下に、その理由を詳しく説明します。

①ESG投資の拡大

ESG(Environmental, Social, and Governance)投資は、環境、社会、ガバナンスの観点から企業を評価し、投資判断に反映する投資手法の一つです。近年、ESG投資に関心を持つ投資家が増加しており、SBTを取得することで、企業のESG投資に対する評価が向上し、資金調達の機会が増えることが期待されます。

②リスク低減効果

企業がSBTを取得し、自社のGHG排出量を削減する取り組みを行うことで、気候変動によるリスク低減効果が期待できます。これにより、投資家・金融機関は企業の長期的な持続可能性を評価し、資金調達の意欲が高まることが期待されます。

③グリーンボンド発行の促進

SBTを取得することは、企業が環境に配慮した経営を行っていることをアピールすることにもつながります。このような企業には、グリーンボンドの発行が認められやすくなることが期待されます。グリーンボンドは、環境に配慮したプロジェクトへの投資資金を調達するための債券であり、企業にとっては資金調達の新たな手段となることが期待されます。

以上のように、SBTを取得することは、投資家・金融機関からの資金調達に有利になることがあります。ESG投資の拡大やリスク低減効果、グリーンボンド発行の促進など、様々な要因が影響するため、企業にとってSBT取得は重要な要素となります。

 

3.競合他社との差別化

SBTを取得することで、企業が環境問題に積極的に取り組んでいることをアピールし、競合他社との差別化を図ることができます。以下に、その理由を詳しく説明します。

①環境問題に対する取り組みの差別化

企業がSBTを取得し、自社のGHG排出量を削減する取り組みを行うことで、環境問題に対する取り組みの差別化が図れます。消費者や顧客は、企業が環境問題に取り組んでいることを重視する傾向があり、SBTを取得した企業は環境に配慮したブランドイメージを構築しやすくなります。

②CSR活動の差別化

企業がSBTを取得し、自社のGHG排出量を削減する取り組みを行うことで、CSR(Corporate Social Responsibility)活動の差別化が図れます。企業の社会的責任を果たす取り組みとして、環境問題に取り組むことは重要な要素となっています。SBTを取得した企業は、CSR活動の差別化を図りやすくなります。

③新規ビジネスチャンスの創出

SBTを取得し、自社のGHG排出量を削減する取り組みを行うことで、新規ビジネスチャンスの創出が期待できます。例えば、再生可能エネルギーや省エネ技術など、環境に配慮したビジネスが注目されています。SBTを取得した企業は、このような新規ビジネスチャンスに取り組むことができ、競合他社との差別化を図ることができます。

以上のように、SBTを取得することは、企業が環境問題に対して積極的に取り組んでいることをアピールし、競合他社との差別化を図ることができます。環境問題に対する取り組みの差別化やCSR活動の差別化、新規ビジネスチャンスの創出など、様々な観点から、SBTを取得することは企業にとって有益です。

 

4.消費者からのイメージアップ

SBTを取得することは、企業の持続可能性に対する取り組みを示し、消費者からのイメージアップにつながることがあります。以下に、その理由を詳しく説明します。

①消費者の意識の高まり

近年、消費者の間では、環境問題に対する意識が高まっています。特に、気候変動に対する取り組みを行う企業に対する支持が高まっており、企業がSBTを取得し、自社のGHG排出量を削減する取り組みを行うことで、消費者からの支持を受けることができます。

②環境に配慮した消費の促進

SBTを取得することで、企業は環境に配慮した経営を行っていることをアピールすることができます。これにより、消費者の環境に対する関心を高め、環境に配慮した製品やサービスを提供する企業に対する支持が高まることが期待されます。

③顧客ロイヤルティの向上

SBTを取得することは、企業の社会的責任に対する取り組みを示すことにもつながります。これにより、企業と顧客の間に信頼関係が築かれ、顧客ロイヤルティの向上につながることが期待されます。

以上のように、SBTを取得することは、消費者からのイメージアップにつながることがあります。環境問題に対する意識が高まる現在、企業が環境に配慮した経営を行うことが求められるため、SBTを取得することは企業にとって重要な要素となります。

 

5.社員のイメージアップ

SBTを取得することは、企業の社員にとってもメリットがあります。以下に、その理由を詳しく説明します。

①社員の意識向上

企業がSBTを取得し、自社のGHG排出量を削減する取り組みを行うことで、社員の環境問題に対する意識が高まります。社員は、自社が環境問題に取り組んでいることを知り、企業に誇りを持つようになることが期待できます。

②社員のモチベーション向上

企業がSBTを取得し、自社のGHG排出量を削減する取り組みを行うことで、社員のモチベーションが向上します。企業が環境問題に取り組むことにより、社員は、自分たちが働く企業が社会的に責任を果たしていることを実感し、自らも積極的に取り組むようになります。

③社員の採用・定着率向上

企業がSBTを取得し、自社のGHG排出量を削減する取り組みを行うことで、社員の採用・定着率が向上します。若年層を中心に、環境問題に対する意識が高い傾向があります。SBTを取得した企業は、社会的責任を果たす企業として認知され、社員の採用・定着率が向上することが期待できます。

④社員のスキルアップ

企業がSBTを取得し、自社のGHG排出量を削減する取り組みを行うことで、社員のスキルアップが期待できます。環境問題に取り組むことは、省エネやリサイクル技術など、新しいスキルを身につけることができるためです。

以上のように、SBTを取得することは、企業の社員にとってもメリットがあります。社員の意識向上やモチベーション向上、採用・定着率の向上、スキルアップなど、社員が働きやすくなるような環境を作り出すことができます。

 

6.イノベーションの創出・業務効率化

SBTを取得することは、企業にとってイノベーションの創出や業務効率化になります。以下に、その理由を詳しく説明します。

①イノベーションの創出

SBTを取得することで、企業は環境問題に対する取り組みを進めることができます。その過程で、新しい技術やサービス、製品を開発する必要が生じます。環境問題に対する取り組みは、企業にとって新たなビジネスチャンスを生み出すことができます。また、SBTの取得には、専門的な知識や技術が必要となるため、企業内での研究開発や人材育成にも繋がります。

②業務効率化

SBTを取得することで、企業はGHG排出量の削減を目指すため、省エネルギー化やリサイクルなど、業務プロセスの改善を進める必要があります。その結果、業務の効率化やコスト削減に繋がることが期待できます。例えば、省エネルギー化の取り組みにより、電気やガスの使用量が削減され、それに伴う光熱費の節約が期待できます。また、リサイクルにより、原材料の調達コストを削減することができます。

③新たな市場開拓

SBTを取得することで、企業はGHG排出量の削減に向けた取り組みを積極的にアピールすることができます。その結果、CSRやESG投資を重視する投資家や消費者からの支持を得ることができ、新たな市場開拓に繋がることが期待できます。また、SBT取得企業は、環境問題に取り組む企業として、公共調達などの政府案件に参加することができる可能性があります。

以上のように、SBTを取得することは、企業にとってイノベーションの創出や業務効率化のメリットがあります。新たな技術開発やサービス開発、業務の効率化、新たな市場開拓などにつながることで、持続可能なビジネスモデルの構築や競争優位の獲得につながると言えます。

これらのメリットによって、企業は持続可能なビジネスモデルを構築し、競争優位を獲得することができます。また、地球環境や社会課題の解決に貢献し、企業価値を高めることができます。

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