今週は、私たちと一緒に働いてくれているインターン生からのご紹介で、新たに1名インターン生が入社されました。早速、他の社員やインターン生とも打ち解けたようで、コミュニケーションを図りながら仕事を覚えていました。これから少しずつ業務に慣れていってもらえたらと思います。
さて、環境に配慮した社会づくりが行われる中で、企業の環境活動に関する国際認証が注目を集めています。コラムでも何度かご紹介しているSBTという国際認証では、取得企業数が2年間で7倍の増加を見せる等、その勢いは年々加速しています。
今回は数ある評価機関の中でも近年注目度の上がっているEcoVadisについて、私たちが実際に受審して分かったことを含めてご紹介します。
EcoVadis(エコバディス)とは、世界最大級のサステナビリティ(持続可能性)評価機関の名称です。企業の環境・社会・倫理的な性能を評価し、点数化して開示することで、サプライチェーン全体の持続可能性を向上させることを目的としています。「環境」「労働と人権」「倫理」「持続可能な調達」の4つの観点から、0~100点で企業のサステナビリティレベルを評価し、メダル認証(プラチナ・ゴールド・シルバー・ブロンズ)の付与や改善すべきポイントのフィードバックを受けることができます。
自社のサステナビリティ対応を客観的に把握できるということで、私たちも昨年、EcoVadis社のサステナビリティ評価を受けました。
評価項目である「環境」「労働と人権」「倫理」「持続可能な調達」の部門について、企業規模や業種によって内容の異なる設問が用意されており、回答に加えて裏付けとなる証明書類の提出が必要でした。私たちが評価を受けたときは25問ほどの設問が用意されており、就業規則やeラーニング受講履歴、SBT認証取得ページ等の証明書類を提出しました。一部の証明書類において、内容に会社名や企業ロゴが印字されておらず、自社との関連性が確認できないとして評価対象外とされたものもありました。
評価結果はスコアカードで確認することができます。回答内容を分析し、強みや改善点を提示してくれます。改善点の箇所には優先順位と具体的な改善案が記載されており、今後の経営改善の参考にすることができます。
【スコアカードのイメージ】
費用は企業規模やプランによって異なりますが、私たちは企業規模Sサイズ(従業員数26~99名)でPremiumプランを選択し、1,390USD(約194,600円)でした。獲得したメダルやバッジを社外へ公表するには、Premium以上のプランに登録する必要があります。2025年4月現在もこの金額は変更されていないようです。
EcoVadis HP:https://ecovadis.com/ja/plans-pricing/?size=S
EcoVadisの評価は、イニシアティブへの賛同や認証の取得、倫理対策等を実施し証明書類を提出することによって、加点されていく評価システムになっています。評価を受けるための対策を取らずに受審したとしても、点数が伸びにくいです。事前に質問内容を調査し、評価を受けるための回答および証明書類を準備しておくと良いでしょう。SBTの取得やCO2排出量の削減対策、情報セキュリティ、ハラスメント対策などがその一例となります。改善点に関しては再評価を受けることができますが、追加料金の支払いが必要なため、できる限り1度目の評価で点数を取れるよう準備しておくことが望ましいでしょう。
EcoVadisは、脱炭素等に取り組んでいくための現状確認という位置づけではなく、取り組んできた実績を評価として形に残すという位置づけです。高得点やメダル認証を獲得することができれば、こうした評価は新たな取引のきっかけになるかもしれません。実際に評価を受けてみた結果、EcoVadis評価は以下のような企業にお勧めであると感じました。
・多数の企業との取引が想定される商社などの企業
・EcoVadisの評価が一定以上であることが取引条件となっている外資系企業と取引をする企業
・SBTよりも上位の環境活動を求める大企業と取引をする企業
EcoVadisは企業のサステナビリティを多角的に評価し可視化してくれるため、ESGに優れている企業であることのアピールになり競争力の向上につながります。最近は大手企業から取引先の中小製造業にEcoVadisの受審を要請する事例が出てきており、私たちもその情報を得て受審をしてみました。
取引先によって、求められる国際認証や性能評価は異なりますが、脱炭素化に向けた動きに対応することは共通しています。時代の変化に合わせて、できることから1つずつ取組みを進めていきましょう。
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