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コラム

2025.02.07

脱炭素経営には必須!グリーンリスキリングについて解説します!

1.はじめに

脱炭素社会の実現が急務とされる中、企業には環境負荷を低減しつつ経済活動を持続可能にすることが求められています。しかし実際のところ、この両立は簡単なことではなく、特に中小企業では中々進んでいないのが現状です。この課題を克服するための一助となる取組として「グリーンリスキリング」が注目を集めています。今回は、グリーンリスキリングの重要性を、厚生労働省が行っている支援制度と併せて解説します。

 

 

2.グリーンリスキリングとは

「グリーンリスキリング」とは、脱炭素化や環境配慮型の技術を活用するために必要な知識やスキルを、従業員が新たに学び直す取組です。脱炭素経営を目指していく上で、環境分野に対する知識は今や必須となってきています。専門的な知識やスキルを保有した人材を育成することは、従来の事業の在り方を見直し、環境負荷を軽減した新たな生産プロセスや技術導入を実現するための重要な基盤となります。環境に対する知識を持った人材を育成することで、正しく効率的に脱炭素への取組を進められることから、現在グリーンリスキリングへの注目が高まっています。

 

 

3.グリーンリスキリングを推進する必要性

以下のグラフは、昨年日本商工会議所が全国の中小企業を対象に行った「中小企業の省エネ・脱炭素に関する実態調査」において、脱炭素に取り組むハードルとなっているものや、なり得るものについて調査した結果を表したものです。

出典:https://www.jcci.or.jp/file/sangyo2/202406/v2_cn_chosakekka.pdf

脱炭素に取り組む上でのハードルとして最も多かったのは、「取り組むためのマンパワー・ノウハウが不足している」という回答でしたが、「排出量の具体的な算定方法が分からない」という回答が33.1%で2番目に多くなっています。さらに、「何が排出量算定の対象になるのか分からない」が24.1%、「専門用語等が多く、理解できない」が17.6%を占めており、上位6つの回答のうちの3つが知識不足により生じているハードルであるという結果になりました。
この調査の結果から、従業員の知識不足により脱炭素への取組を率先的に行える人材がおらず、脱炭素に取り組みたくても取り組めずにいる中小企業が多いことが分かります。グリーンリスキリングを通じて新たな技術や知識を従業員に習得させることは、中小企業のCO2排出量の削減を促進し、サステナブル消費が進む今の社会において競争力を獲得することにつながるため、グリーンリスキリングの推進が非常に重要になってきています。

 

 

4.助成金制度による支援

グリーンリスキリングは中小企業にとって必要なものではありますが、実施するにはそれなりの費用が伴います。講座の受講や外部講師による訓練、キャリアコンサルティングの実施等、企業によっては費用面の問題で実施に至っていない場合もあるでしょう。そのような企業への支援策として、厚生労働省が「人材開発支援助成金」という助成金制度を行っています。
カーボンニュートラル達成を目指す2050年が近づき、グリーンリスキリングへの支援を強化する動きが高まっていることから、この助成金制度へ新たに「事業展開等リスキリング支援コース」が創設されました。このコースは企業の持続的発展に向けて、新規事業の立ち上げや業務効率化、脱炭素化に取り組む人材育成を行う企業へ訓練経費や賃金の一部を助成するコースです。支援内容を以下に簡単にまとめましたが、詳細は厚生労働省のホームページにてご確認ください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/d01-1.html

 

また、私たちゼロプラスではカーボンニュートラル実現に向けた人材育成支援の一環として、中小企業を対象に低炭素経営セミナーを行っています。このセミナーでは炭素税やCO2排出量の算出方法、グリーン成長戦略等についての理解を深め、環境分野において活躍できる人材を育てます。Eラーニングと対面にて実施しており、20時間のセミナーでしっかりと知識を身に着けることができます。さらに、環境について学んだあとは知識の定着度を確認するため、GXチャレンジ検定という試験をご用意しています。低炭素経営セミナーとGXチャレンジ検定のパッケージで環境に関する知識やスキルを獲得し、自社でのカーボンニュートラルに向けた取組を率先して行える人材の育成を支援します。詳細についてはこちらをご覧ください。
https://www.co2-hikaku.com/e-learning/

 

 

5.まとめ

グリーンリスキリングは、単なるスキル習得にとどまらず、企業が持続可能な未来を築くための重要な投資です。政府の助成金制度を活用することで、コスト負担を軽減しつつ、環境規制への対応力を高めることができます。従業員のスキル向上は、中小企業にとって企業全体の競争力向上に直結します。これを機に、貴社の事業計画にグリーンリスキリングを取り入れ、脱炭素社会の実現に向けた第一歩を踏み出しましょう。

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