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コラム

2024.10.24

「ゼロモニ」を使って、2023年度のCO2排出量を分析してみた

1.はじめに

私たちゼロプラスは、Jクレジットを活用し、2023年度のCO2排出量(Scope1/2)の全排出量をオフセットいたしました。
2023年度CO2排出量報告書:https://www.zeroplus-consul.co.jp/assets/carbon_offset2023zeroplus.pdf

この機会に、私たちがサービスを提供しているCO2排出量モニタリングサービス「ゼロモニ」を活用して、2023年度CO2排出量の分析をしてみたいと思います。

 

2.CO2排出量の分析

まず、2023年度全拠点の排出量の構成割合をScope別に見ていきます。Scope1(燃料の燃焼)は27.936t-CO2e、Scope2(電気の使用)は30.189t-CO2e、合計は58.125t-CO2eとなりました。わずかではありますが、電気の使用によるCO2排出量が多くなっています。

 

電気の使用によるCO2排出量が多いことから、2023年度全拠点の電気(低圧)エネルギー使用量を分析します。2024年2月と3月が6,000kWh超の電気を使用しており、他の月と比べて大きくなっています。その主な要因として、この時期が繁忙期であり、稼働時間の増加による影響が考えられます。
また、前年と比べて全体的にエネルギー使用量が増加しています。その主な要因として、2023年4月の本社移転・拡大、同年9月の岡山事務センター開設が挙げられます。本社の拡大や拠点の開設、稼働時間の長時間化など、事業の活動量を増やすとCO2排出量も増えることになります。このあたりに、カーボンニュートラル実現の難しさを感じます。

 

続いて、2023年度全拠点の排出量の構成割合を拠点別に見ていきます。本社28.588t-CO2e、シマモト技研株式会社14.200t-CO2e、東岡山事務センター5.069t-CO2eとなりました。

 

本社のCO2排出量が多いことから、2023年度本社のエネルギー使用量を詳しく分析します。電気(低圧)については、上述した分析結果と概ね同じ傾向です。

 

揮発油(ガソリン等)については、2023年8月と9月が0.8kl超の燃料を使用しており、他の月と比べて大きくなっています。その主な要因は、営業担当の増員に伴う社用車の増台と考えられます。
また、2023年8月以降は概ね右肩下がりで推移しています。その主な要因は、社用車を順次ガソリン車からハイブリッド車に切り替えたことによるものと考えられます。

 

3.2024年度CO2排出量の削減に向けた取り組み

2023年度のCO2排出量を分析した結果、本社の電気使用に重点を置いて省エネ活動を実施することが、CO2排出量削減に効果的であることがわかりました。ただし、ゼロモニの分析だけでは、照明、空調、コンセントなど、具体的にどの用途で電気の使用が多いのかまではわかりませんので、さらに詳しい調査が必要です。
また、本社だけの省エネ活動では、カーボンニュートラルの実現は困難です。各拠点においても、空調の温度設定や未使用室の消灯など、業務に支障をきたさない範囲で省エネ活動を進める必要があります。
その他の取り組みとして、再生可能エネルギー電力への切り替えや太陽光パネルへの設備投資などを検討しており、グリーン電力の調達によって電気使用によるCO2排出量を削減する取り組みを実施します。

 

4.まとめ

2023年度は、2022年度と比べてScope1(燃料の燃焼)、Scope2(電気の使用)ともにCO2排出量が増加する結果となりました。一方で、Scope1の月別推移を見ると、CO2排出量は減少傾向にあり、削減に向けた取り組みの効果が表れ始めています。
2023年度の総排出量58.125t-CO2eについては、Jクレジットを活用して全量をオフセットし、CO2排出量実質ゼロを達成しました。2024年度は、CO2排出量の削減を進め、Jクレジットの使用量を抑制することを目指します。
事業成長とCO2排出削減の両立は容易ではありませんが、今後も継続的なモニタリングと改善活動を通じて、持続可能な企業活動を推進してまいります。

 

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