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コラム

2024.06.20
SBT

自治体による中小企業の脱炭素経営支援策をご紹介します!

2050年までにCO2排出量実質ゼロが目指される中、環境問題への関心は年々高まり続けています。それに伴い、大企業だけでなく中小企業へも環境への取り組みが求められるようになり、一部の自治体が中小企業の脱炭素経営の支援に動き出しています。今回はSBT認定取得支援を行っている自治体について紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

 

 

 

SBT認定とは

SBT(Science-Based Targets)とは、パリ協定の目標に沿って企業が設定する科学的根拠に基づく温室効果ガス排出削減⽬標のことです。国際機関を通して目標を設定することでSBT認定という国際認証を取得することができ、持続可能な企業であることを投資家や取引先にアピールすることができます。SBT認定には通常版と中小企業向けがあり、2024年3月現在、日本の中小企業でSBT認定を取得した企業は728社に上ります。1年前と比べると3倍以上の伸びを見せており、SBT認定への注目度が高まっているのがわかります。
https://www.wwf.or.jp/activities/news/5561.html

 

自治体による補助金支援

中小企業向けSBT認定の申請をする際には申請費用として1,250ドルが必要になります。また、CO2排出量の算定が必要なため支援事業者への委託料が発生する場合もあります。こうした費用面での負担を軽減しSBT認定取得を促進すべく、一部自治体では申請に係る費用に対して補助金の交付を行っています。補助対象経費や補助率は自治体によって異なるため、各自治体での取組を一部ご紹介します。
※以下は2024年6月20日時点での情報です。最新の情報については各自治体のホームページなどをご確認ください。

・栃木県宇都宮市

補助対象経費:支援事業者への委託料、申請費用
補助率:補助対象経費の1/2(上限100万円)
受付期間:令和6年5月13日(月)~令和6年8月30日(金)まで

・栃木県小山市

補助対象経費:支援事業者への委託料、申請費用
補助率:補助対象経費の1/2(上限100万円)
受付期間:令和6年4月1日(月)~

・新潟県三条市

補助対象経費:支援事業者への委託料(申請費用は対象外)
補助率:全額(上限15万円)
受付期間:令和6円4月1日(月)~令和7年1月31日(金)まで

また、以下の自治体では環境配慮型経営の促進を目的とした補助金が用意されており、補助対象事業のうちの一つにSBT認定取得が含まれています。

・新潟県燕市(SDG s(カーボンニュートラル等)促進事業補助金)

対象事業:
1.経営者・従業員を対象とした脱炭素経営への理解促進に向けた研修等の実施
2.現状分析・課題把握を目的とした各種診断の実施
3.脱炭素経営に向けた各種計画の策定
補助対象経費:支援事業者への委託料
補助率:補助対象経費の1/2(対象事業ごとに上限10万円)
受付期間:令和7年1月31日(金)まで

・栃木県佐野市(佐野市脱炭素化経営推進事業者支援補助金)

対象事業:
1.脱炭素経営のために受ける各種診断や分析費
2.脱炭素化促進を目的とした計画等の策定費
3.SBTの認定に係る申請費用
4.役員及び従業員を対象とした研修等の開催費
補助率:
1. 費用の2分の1(上限20万円)
2. 費用の3分の2(上限30万円)
3. 費用の3分の2(上限10万円)
4. 費用の2分の1(上限5万円)
受付期間:未公開

・和歌山県(脱炭素経営に向けた計画策定支援事業時補助金)

対象事業:
1.CO2排出量削減中長期計画策定事業
2.CO2排出量削減対策実行計画策定事業
3.脱炭素対応を踏まえた自社製品広告計画策定事業
補助対象経費:支援事業者への委託料
補助率:補助対象経費の1/2以内(1件あたり上限100万円)
受付期間:令和6円4月1日(月)~10月31日(木)まで

 

 

申請方法

新潟県燕市を例に申請方法の一例をご紹介します。自治体によって申請方法や必要書類は異なるので、申請の際は必ず各自治体のホームページにて詳細を確認してください。

①SBT認定取得支援を行っている支援事業者に委託

まずはSBT認定取得のコンサルタントを行っている支援事業者に相談します。

②自治体に申請書を提出

申請書を記入し見積書や納税証明書等、必要書類を揃えて自治体に提出します。申請書には会社の情報に加えて、補助事業の概要や補助事業の実施により見込まれる効果、補助対象経費の内訳等を記入します。

③交付決定が下りたらSBT申請作業開始

申請書提出後に自治体にて審査が行われ、自治体から交付決定通知書が届きます。交付決定通知書が届いたら、支援事業者にてSBT申請作業を始めます。交付決定前にSBT申請作業を進めてしまうと交付対象外となるので注意が必要です。

④SBT認定取得後実績報告

SBT認定取得が完了したら実績報告書を作成し、その他必要書類と併せて自治体に提出します。実績報告書には補助事業にかかった費用の他、補助事業の実施による成果や今後の取組み等を記入します。

⑤交付請求書を提出

自治体から確定通知書が届いたら交付請求書に振込依頼先口座情報を記入して提出します。その後指定口座に補助金が振り込まれます。

 

まとめ

2050年までにカーボンニュートラルを目指すにあたって、これからは中小企業による環境への取り組みが重要となってきます。こうした取り組みを行っている自治体はまだ多くありませんが、今後環境への意識が高まるにつれて増えていくのではないでしょうか。SBT認定の取得をお考えの際は、自社の所属する自治体のホームページを確認してみてくださいね。

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