気候変動や人権問題など数多くの課題への認識が高まる社会の中で、企業経営と投資において、ESGの観点が必要だという考え方が広まっています。今回は、ESGの意味やESGに取り組むことのメリット、実際に企業が取り組んでいるESGへの取り組みをご紹介していきます。
ESGとは、Environment(環境)、Social(社会)、Governance(企業統治)の3つの英語の頭文字を合わせた言葉です。企業が環境・社会・企業統治に配慮する考え方であり、社会に負う責任でもあります。近年、企業経営においてESGの3つの観点が必要だという考え方が世界中で広まっており、具体的なESGへの取り組みには以下のような活動があげられます。
・温室効果ガスの削減
・再生可能エネルギーの利用
・廃棄物の減少やリサイクル
・自然環境の保全
・省エネ・節水 など
・公正な労働権の保証
・労働者の安全衛生の取り組み
・多様性の尊重
・人権問題への対応
・男女平等 など
・法令遵守
・情報開示の透明性
・内部統制の構築・強化
・取締役会の独立性の担保
・株主保護 など
中小企業がESGに取り組むことで得られる主なメリットを3つご紹介します。
持続可能性への取り組みは、企業の評価やイメージ、ブランド価値を高めることにつながります。ESGの取り組みが消費者から好意的に捉えられれば企業のブランド価値が向上し、新たな消費者の獲得につながります。また、企業の評価が上がり、消費者や取引先からの信頼を得られれば、市場における競争力の向上が期待できます。
中小企業がESGを取り入れた経営を行うことで、投資家や金融機関からの信頼を獲得し、資金調達の機会が拡大するとともに、資金調達コストを低減させることができます。また、銀行では融資の判断材料としてESGへの取り組みを重視する傾向が強まっており、中小企業にとってESGへの対応が融資を受ける上で有利に働くようになってきています。
なお、2024年3月に当社で実施した調査によると、全国の金融機関528行のうちサステナビリティ・リンク・ローン(ESG戦略に整合した取り組み目標を設定し、その達成状況に応じて金利等の融資条件が連動する融資)に対応している金融機関は95行まで広がっています。
最近の調査では、就活生が就職先に求める条件の中に、「安定」や「プライベートの充実」など働きやすさがあげられる傾向があります。働きやすい労働環境、つまりSocial(社会)の面が充実している企業には人材が集まりやすくなっていると考えられます。
また、中小企業の中には、先進的な再生可能エネルギーの活用や多様な人材が活躍できる職場環境づくりなどの取り組みがメディアに取り上げられたことで、求職者からの応募が20倍以上増えた事例もあります。
参考:こんな会社で働きたい「二川工業製作所|次世代を見据えた新たなビジネスで脱炭素社会の創造を先導」
https://good-companies.jp/2022/03/01/futagawa-kogkyo/
世界中でESGへの関心が高まり、ESGの3つの観点を重視した取り組みが広がっています。国内の企業でもESGを重視した取り組みが広がっているため、企業のホームページを訪れるとESGへの取り組みが掲載されているのを目にすることも多くなってきたのではないでしょうか。企業の持続的な成長のためにも、ESGへの理解を深め、ESGへの取り組みを進めることが大切になってくるでしょう。
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