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コラム

2024.02.22

日本のCO2排出量の5割以上を占める企業が参画するGXリーグって?

「GX」という言葉をニュースなどで耳にする機会が増えています。これが温暖化対策に関連することと理解はしているものの、日本でどのような取り組みが進められているのか詳しく知らないという方も多いのではないでしょうか。今回は、温室効果ガス排出削減に向けて経済産業省が立ち上げた「GXリーグ」をご紹介します。

※2024年度のGXリーグへの参画企業の募集は、2024年2月28日に終了します。また、2024年2月現在で2025年度の募集は予定されておりません。

 

GXリーグとは

GXリーグは、グリーン・トランスフォーメーション(GX)に取り組む企業が、同様の取り組みを行う他の企業や官公庁、大学とともに、経済社会システムの変革や新しい市場の創出に向けた実践を場です。このリーグは、2020年に日本政府が宣言した「2050年カーボンニュートラル」目標(2050年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロにすること)や、2030年までに2013年度比で温室効果ガスを46%削減するという野心的な目標の達成に向けた新たな取り組みとして注目されています。企業の立場だけでなく、生活者の視点からカーボンニュートラルに向けた未来像を考え、それにたいしてどのように貢献できるかを議論し国際的に発信することを目指しています。

 

GXに向けたルール形成

カーボンニュートラル コラムV_5

GXリーグでは、民間企業、官公庁、大学などが連携し様々な活動を行っていますが、特に注目されているのが新市場創造を目的とした新たなルール形成です。

 

・適格カーボン・クレジット

温室効果ガスの削減量や吸収量を売買できるようにするカーボン・クレジット制度のことです。GXリーグでは、実際にリーグ内でクレジット制度を運用し、運営規定やガイドラインなどを策定、検討しています。カーボン・クレジット制度については、こちらのコラムをご参照ください。

https://www.co2-hikaku.com/column/1092/

 

・GX人材市場創造

GX人材とは、GXに関する知識を生かしてカーボンニュートラルに貢献できる人材のことです。脱炭素社会への移行を進める企業が増加する中、環境省は脱炭素アドバイザー資格制度認定事業を通じて、この分野の人材育成に力を入れています。この事業では、環境に関する民間の試験に対し、ガイドラインに基づいた認定を付与し、その活用を推奨しています。

 

【脱炭素アドバイザー資格制度の認定資格】

出典:環境省HP https://www.env.go.jp/press/press_02205.html

 

・グリーン商材の付加価値付け

GXリーグでは、企業のCO2排出量削減が製品やサービスに経済的価値を与え、消費者から選ばれるようになる仕組みの構築にも取り組んでいます。異業種間での共同検討を通じ、業界を超えた共通ルールの策定を目指しています。昨年の活動では、参画企業が自社のグリーン商材をもとに、グリーン価値(製造から廃棄・再利用の工程に伴う環境負荷を低減することで生まれた価値)を経済的に活用するための課題について検討しました。具体的な施策として、グリーン価値の可視化のためCO2排出削減量をクレジットとして掲示するラベル表示や、CO2排出量を削減する商材に補助金を適用するといった政府による経済的支援の提案などが行われました。今後は、認証事業の展開や国際標準化に向けた取り組み推進する計画です。

 

まとめ

GXリーグは、2050年に向けた理想的な社会をリードする企業の集合体として、国内外でリーダーシップを発揮し、多岐にわたる活動を実施しています。環境投資が社会貢献のための負担になるのではなく、新たな成長の機会につながることを目指し、温室効果ガスの排出削減に貢献した組織が外部から正しく評価され、成長できる社会作りに取り組んでいます。GXリーグはまだ始まったばかりですが、日本の温室効果ガス排出量の5割以上を占める企業が参画しており、今後さらに参画企業が増え、その規模も大きくなることが予想されます。私たちゼロプラスもGXリーグの参画を申請しました。参画が認められましたら、活動の中で得た公開可能な情報をいち早くコラムにてお届けいたします。

GXリーグ公式ウェブサイト https://gx-league.go.jp/

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