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コラム

2024.02.08

温室効果ガス排出をゼロにできる!?J-クレジットについてわかりやすく解説!

社会的に地球温暖化への意識が高まる中、国はカーボンニュートラルに向けた様々な制度を定めています。

その中の1つである「J-クレジット制度」を耳にしたことはありますでしょうか。

日本は、温室効果ガスの排出量と森林などによる吸収量を等しくして、温室効果ガスの排出を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」を、2050年までに達成すると宣言しています。この野心的な目標を達成するために、J-クレジット制度の活用を進めています。

 

J-クレジット制度とは

J-クレジット制度とは、省エネ設備の導入や再生可能エネルギーの利用によるCO2等の排出削減量、または植林などの森林管理によるCO2等の吸収量を、国が「クレジット」として認証する制度のことです。

 

国に認証されたクレジットは、保有者が市場に売りに出すことができます。企業などがこれを購入することにより、自社の環境への取り組みに活用することが可能です。

 

【クレジットのイメージ】

 

 

クレジット購入時のメリット

・環境貢献企業としてのPR効果

クレジットの購入は、省エネ活動の支援につながるため、環境に貢献する企業であることをアピールできます。

 

・SBTやRE100などの国際認証への活用

環境配慮を証明する国際認証取得後、温室効果ガス排出量の報告時にJクレジットの購入が有効です。SBTやRE100で活用する場合は少し制約があるので、詳しくはこちらでご確認ください。

https://japancredit.go.jp/case/cdp_sbt_re100/

 

・温対法や省エネ法による温室効果ガス排出量報告への活用

温暖化対策推進法(温対法)および、エネルギー使用の合理化に関する法律(省エネ法)では、対象者に温室効果ガスの排出量を報告することが義務付けられています。これらの報告において、クレジットの利用が可能です。

 

・カーボンオフセット

カーボンオフセットとは、削減しきれない温室効果ガスの排出を相当量の温室効果ガス削減活動への投資によって相殺することです。J-クレジット制度を利用することで、企業はカーボンオフセットを行うことができます。

 

【カーボンオフセットのイメージ】

 

 

実際に購入してみた

昨年、私たちゼロプラスもJ-クレジット制度を活用するべく、e-dash Carbon Offsetのウェブサイトを通じて実際にクレジットを購入しました。ウェブサイトにアクセスすると、様々なクレジットが1トンあたり価格や購入可能な数量とともに掲載されています。その中から、希望に合ったクレジットを選びカートに入れて購入手続きを行うだけ完了です。日頃、私たちがネットショッピングをするのと同じ感覚で購入できるため、もともと持っていた難しそうなイメージとは裏腹に、とても手軽に購入することができました。

 

【e-dash Carbon Offset(URL:https://carbon-offset.e-dash.io/)】

 

 

【クレジットの購入実例】

 

購入の際は、取得したクレジットを管理するJ-クレジット専用の管理用口座を開設する必要があります。さらに、購入後はクレジットを実際に利用するためには、申請手続きを行う必要があります。これを「無効化申請」と呼び、申請されたクレジットの再販売や再利用を防ぐためのものです。一部の仲介事業者やクレジット保有者は、この手続きを代行してくれる場合もあります。

 

まとめ

温室効果ガスの排出量をゼロにすることは、多くの企業にとって大きな課題です。J-クレジット制度は、省エネに関する積極的な取り組みをクレジット認証し、削減しきれない排出量をクレジットで補うことを可能にします。結果として、認証を受ける企業も購入する企業も、カーボンニュートラルを目指す上で有効に活用することができます。

温暖化対策に取り組みたいけれど、どのようにして進めればよいか分からない方にとって、J-クレジット制度の利用は有効な選択肢の1つです。この制度を通じて、温室効果ガスの削減に貢献しつつ、自社の目標達成に向けて歩みを進めていきましょう。

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